年に1度ぐらいは、情報を提供したいと思います。
未経験者にはわからないこと、当塾の教え方を少し説明いたします。
「常識を疑えば、新しいものが生まれる」
野球の栗山英樹監督がTVで言っていた印象に残る言葉。
栗山監督は、大谷翔平の二刀流を模索し、WBCでは、教える指示ではなく、
対話によるマネージメントでそれぞれの選手のベストを引き出した功労者。
「植木算の3パターン」
4年ぐらいで、多くの塾は植木算を教える。
木が1つ多い場合、間が1つ多い場合、木と間が同数の場合、と3パターンに分けて解法のハウツーを教える。
問題集の解説も、他塾の授業もほとんがこれ。生徒は気をつけて、まずどのパターンか選び、決めたら計算する。
できる子はそれで構わないが、ぼーっとしている子は3パターンのどれにするか当てずっぽうに近い。
同じ内容の設問でも、その度に違うパターンを言ったり筋が通らない。
他塾で低迷した子で、移籍してきた子に共通する問題。(表面的には真面目なんだけど・・)
当塾は3パターンではなく、1つしか教えない。
それは「ペアーをつくり順々になぞっていく」こと。
木・間でペアーをつくり始めると、途中はずっと同じなので省略。
最後が木で終わると木だけ1つ多い。
円形でペアーをつくるとちょうどなので、木と間は同数。
間・木から始める場合も、同様。
どれも同じ方法でなぞるだけ。
3パターンのマネの当て方で間違うことがない。
問題が高度化して条件が増えても、当てないでなぞって確かめるのでなんとかなる。
解法を先に教えると、脳は省エネで、それに頼ってマネしにかかる。
なぞる能力が萎縮する。マネ自体を間違うと、わけがわからなくなる。
「数の範囲の数え方」
10から20まで何個あるか? 最初の答えは10個が多い。
脳は省エネルギーで、1~10までと同じだと錯覚する。
ほとんどの問題集・他塾では、20-10だと、10という数を入れないので、あとで+1をする。
20-10+1=11個というもの。
できる子はそれで構わないが、
ぼーっとしている子は、そもそも10を引きすぎていること自体に気づかない。
はじめからそれが見える子は、ブレーキがかかるので間違わない。
当塾では、1→10も、10→20も1つの筋で教える。
「その数→ある数まで、いらないのは1つ前までの数だから、それを引く」
1→10=10-0=10
10→20=20-9=11
7月20日→31日=31-19=12
はじめの刷り込みに成功すると、ぼーっとした子でも、当塾では間違わない。
有名な「割合の3公式」
「割合=くらべ (られ)る量÷もとにする量」
「くらべる量=もとにする量×割合」
「もとにする量=くらべる量÷割合」
これって、じゃんけんのグー・チョキ・パーのよう。
日本人が間違わないのは、
グーは固い石、チョキはハサミで紙を切る、パーは紙で石を包める、という筋が自明だから。
もし、外国人がグーをつぼみ、チョキをピース、パーをヒトデと勘違いした時、
グーとチョキでどちらが勝つのかわからない。
できる子は、グー・チョキ・パーの、割合の言葉の意味がわかるから一瞬で理解する。
ぼーっとしている子は、公式を覚えても、割合?くらべる量?もとにする量?
と意味の筋がつながらず、運がよければ当たるという感じ。
当塾では、1つの筋しか教えない。もとにする量がすべてのはじまり。
「もとにする量があって、その何倍か(割合)が=くらべる量」
当塾で刷り込みを始めた子は、それしか知らないので、
はじめに、もとにする量を探し、その何倍で式をつくる。
わからない数値は⬜︎で表し、式を見ながら逆算する。
3つの公式はいらない、というか、知らないので筋を違えることが少ない。
問題が高度化し、もとにする量が複数ある場合でも、
もとにする量を確認してから割合をかけるので、取り違えが少なくなる。
3公式を知らなくても、偏差値70超まで困ったことは起きていない。
負担の軽減
当塾の教え方は、生徒の負担が少ない。算数の宿題ほぼ出ないが、混乱することが少ないのは、
シンプルな方法で、塾の指導時間内になぞって経験してもらうから。
・・サボってなぞらずマネで済ませる場合はなかなか帰れず、当塾はそれなりに厳しい。
当塾では、生理現象を我慢する必要がない。
いつでもトイレに行って良いし、飲食も自由。自分のタイミングでできる。
塾内におやつが置いてあり、許可を得るともらえる。
市販の入試問題集の解答・解説が載っているけれど、
1〜2割はそんな面倒な解き方しなくても・・と思うものがよくある。
まわりくどいものは見通しが利かず、シンプルな解き方は見通しが利く。
難しい問題ほど、シンプルに置き換えて解けるのが、できる子。
できない子はその逆で、単純な問題を複雑怪奇にひねって迷走する。
「知識系」
丸暗記の弊害
昼間は地面が熱い・次は空気が上に動く・昼は海風が吹く。
丸暗記は、その時だけ点は取れる。
けれど、日数が経つと、筋がつながらず、答えがまるっきり逆転しても平気。
夜間、海が熱く、空気が上がり、海風?が吹く。
答え目的で当てるだけだと、筋が通らなくても平気。何の違和感もない。
当塾のプリ
太陽光で熱くなるのは[陸、海]どっち? 熱くなると空気は[ふくらむ、ちぢむ]?
熱は( )という意味。
ふくらむと重さは[重く、軽く]なる? ←ふくらむと空気分子がスカスカになる。
軽いと、周囲の空気のおしくらまんじゅうに負けて[上、下]に動く。
そに周囲から空気が吹き込む。・・・と、筋がつながるようつくられている。
真面目になぞるように読めば、筋がつながる。
なぞらず答えだけつまみ食いすると、将来誤答するのは必至。
熱帯
太陽放射で熱い→空気がふくらむ=軽くなる→上昇気流
上昇気流=低気圧→雲ができる=天気が悪い。熱帯低気圧は台風のもと。
大陸は冷たく、空気がちぢみ重くなる→気流が下降する
気流が下降する=高気圧→地面の空気が押し合って雲が消える=天気が良い。
「つまらない地理」
地理の細かい数値などは、どれも同じように見え、興味がないと丸暗記できない。
当塾では、様々な工夫がある。
農産物順位
他塾では、入試前にドバッと資料を配布し、丸覚えしなさいというみたい。
当塾では、どうせなので、4年から覚えさせる。
2年後は1~2割ほど順位が入れ替わるが、変化も勉強になるので問題ない。
葉物野菜の順位が入れ替わるのは天候不順が多く、気候変動とも連動する。
コメの産地も北に移動すると言われている。品種改良が、寒さに強い→暑さに強いに変化。
以前の順位も知らないと、何が起きているのかわからない。
「お茶の生産順位」
何十年も静岡が1位で、当塾では”しぶい茶 し か みっつら”(本当はしかめっ面)で覚えてもらっていた。
近年、鹿児島が1位になり、”お茶 菓 子 三つ”(鹿児島・静岡・三重)に変える必要が出てきた。
水はけの良い台地で、これまでも鹿児島茶の生産量は2位だったが、味の評価はイマイチで、
静岡茶などに混ぜるブレンド茶・ペット飲料としての用途が多かった。
近年は、特攻隊で有名な知覧のお茶が、渋みの少ない旨味でブランド化に成功した。
「歴史」
覚える時代が多くなるほど、その場限りの丸暗記では追いつかなくなる。
時代と出来事をトンチンカンに取り違えることが多くなる。
当塾プリは、人物とでき事をストーリーが見えるようひも付けてあるので、
真面目に心を込めれば、ひも付けの誤りは少なくなる。
その場をつまみ食いしてやり過ごすと、筋がつながらずトンチンカン・・。
生徒が、トンチンカンな事を言うたびに、そのでき事は何なのかを個別に思い起こさせ確認させる。
脱線して時間はかかるが、記憶に残る。
「国語」
国語は、設問に対し、なぜそう判断したのか個別に言わせると良い。
文章をつまみ読みしてなぞって読んでいない、
相手の立場に立てず、本人の思い込みの主観で文意と合わない。
そもそも、速く読めず、全体の構成を一度につかめない。
そういう時は、漢字拾い読み・主語述語読みをすすめる。
視野がせまいと言葉を探せないので、視野を広げるトレーニングをやってもらう。
また、文章語を多く知らないと何の意味がわからず読めない。
国語は母語で、論理の根底で、本を読む習慣が必要。
そして、5〜6年で国語がよくできるためには、算数の論理力が必要。
算数の論理力があれば、自分の経験を超えた国語の文章を論理的に解くことができる。
算数ができるためには、社会・国語の記憶力・なぞる力が根底には必要。
各教科がじゃんけんのようにつながっている。
特に算数で、解法を長時間かけてやらされ、
ぐちゃぐちゃ頭になっている子が、当塾に相談にくるケースがとても多い。
上記のことは、どの塾でもやろうと思えば、すぐできるはずなので、利用してほしいと思う。
インプットとアウトプット
一般に、保護者の多くは思春期から後の思い出の中にいて、意志を持てば道が開けると思う。
そして、小学生にも勉強をインプットすればするほどできるようになる、と思う。
しかし、それは長年の経験上、それは違う結果になる。
”表面的には真面目にインプット”し、保護者もよく勉強する子だと満足するけれど、
披露が終わると役目を終えるので、解法が残らない子が多くいる。
(内面的な子は少し残り、表面的な子は残らないことが多い)
小学生がインプットするのは、周囲=保護者などによく思われたいからで、多くの子には主体性がない。
周囲に披露するために、解法をそのまま仕入れ、評価されて気持ちよくなりたい。
一斉指導の塾では、ライバルとの競争で成長すると思われているが、それは上位の地頭の良い子。
一般の子はできる状態をマネする”表面的な真面目さ”しかなく、フラッシュメモリーのように
インプットした勉強が消えてゆく。
山のようにお勉強しても、すればするほど、以前できたものと混ざり合い、混沌となり消えてゆく。
だから、もっと”真面目なインプット勉強”を強制させる。
何回も同じ演習を繰り返すと、条件反射的にはできようになるけれど、”チャンネルは固定化”する。
「歩けないのに、走る練習をさせてはいけない」
当塾がさせたいのは、ヒントを出して、自分で気づかせる試行錯誤。自分で歩くこと。
インプットの子がラクして望むのは、答えに直結する計算方法。(ヒントはいらない、というか面倒臭い)
歩けないのに、走る練習を見栄えでやらせると、解法をトンチンカンに当てはめ、こけてしまう。
インプットだけに頼る子だと、当塾でもお手上げ、偏差値45未満という感じ。
(最初の勉強の始め方・生まれつきの資質の両面がある)
当塾では、本人ができること(~を読んでとか、ここの数からわかることを調べてなど)をヒントに出す。
試行錯誤する子は、4分以上自分であれこれやって、こうなったんだけど、と報告に来る。
インプットだけの子は、ヒントを出した後、だいたい30秒~1分ですぐまた持ってくる。
(ヒントはいらない、というか面倒臭い)一斉指導で刷り込まれた、成績不振の子は、ほとんどこのタイプ。
アウトプットを促すと、言葉の歯切れが悪く、単語かぼやけてゴニョゴニョ聞き取れない。
よく聞いていると、問題を再度読んで周辺の数字を言っているだけのことが多い。
当塾のヒントが答えにつながるとは思っておらず、ヒントを聞いていないことが多い。
当塾と大きなギャップがある。
そんな理想を言っても、現実問題として単元が進まないじゃないですか! という保護者の声が聞こえてくる。
毎週のテスト範囲に間に合わない!
過去、インプット型の子に、算数の既習内容のヒントを出すが、試行しようとせず進まない。
その週の算数は、なんと例題2問しか進まない。
テスト結果は散々だったかというと、算数78点(A会員)。
脳の回路が、これは大変だと必死に自分で認知してシナプスを延ばしたのだと思われる。
インプットを50回やるより、アウトプット2回の方が脳の神経回路が成長したという例。
(入試では、第1志望に合格)
当塾で、偏差値55以上の子は、すべてアウトプット型。
初めはインプット型の子でも、当塾で自己実現する喜びに目覚めると、
家でのインプット型の勉強を嫌がるようになる。(アウトプットの喜びがなく強制的だから)
当塾では、できる子ほど、家で算数はほぼやらず、塾だけでやるという感じ。
そして、アウトプットの勉強は、一度で印象深く脳に刻まれるので、復習する必要がない。
「知識は逆。インプット型が必要」
知識は、披露するための見栄えでもOK。「歩けなくても強制的に走らせる」方が良い。
それは、ある程度の知識量のインプットがあって、はじめてアウトプットできるようになるから。
それを達成するには、日頃の”なぞるような学習の習慣”が必要。つまみ食いの勉強ではものにならない。
当塾では、家での勉強は知識中心でお願いしていて、付き合う回数に比例して脳回路はできてゆく。
知識問題も、上位校はアウトプットの判断力がないと入試問題に適応できない。
あれやこれや判断の試行をさせる段階になると、塾での勉強に切り替わる。
家では知識、塾では思考力という棲み分けが必要。
逆に家で解法をインプットし、塾で知識のフォローと逆転するとまずい。
試行錯誤のアウトプットが成長せず、知識は塾で聞いて済ませ、自分で繰り返さないから脳に入らない。
インプットとアウトプットを区別せずに一緒に教えるのは、無謀で失敗する教え方。
知識はインプット、思考力はアウトプットが原則。
勉強すればするほど、できなくなる
『横田晋務:やってはいけない脳の習慣より』
仙台市の小中学校7万人の7年間の調査報告〜。
スマホの使用時間が、ゼロから4時間以上での、算国の正答率への影響の調査。
(10月、5年のYT週テストの国語で出題された文章)
スマホ時間が1時間未満の正答率が最もよく、
スマホ時間が2時間以上になると、全く勉強しない時よりも正答率が悪くなる。
しかも、勉強時間が長くなるほど、ゼロの時より正答率がどんどん悪くなる。
「勉強すればするほど、できなくなる状態」に陥る。
LINEでは、
LINE時間がゼロの時がほぼ成績が最も良く、
LINE時間が増えるほど正答率が下降してゆく。
しかも、勉強時間が長いほど下降が激しい。
「勉強すればするほど、できなくなる状態」に陥る。
おそらく(当塾の意見)
スマホはサイトを選ぶ自発性があり、1時間未満だとまだアウトプットが保たれる。
LINEは初めから相手の反応に依存するので、すぐにアウトプットが減少しインプット型になる。
スマホ・LINE時間が増えすぎると、
脳が依存的なインプット態勢に慣れ、自発的に考えコントロールする血流量が低下する可能性がある。
勉強量を増やしても正答率が下がるという矛盾はそこに原因があると思われる。
「遊んでないで勉強早くやりなさいよ」と保護者が言うと、
「今やろうと思ってたのに〜、急にやる気なくなった!」と子供が言う。
これは、昔も今もよくある風景。
強いられる=インプットで、脳の血流が低下する。
自分から発する=アウトプットで、脳の活動が盛んになる。